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厚労省が「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」のガイダンスを改正
医薬品規制調和国際会議(ICH)のガイドライン改正に対応 2019.08.02健康・医療

厚生労働省(以下、厚労省)医薬・生活衛生局医薬品審査管理課は2019年7月5日、都道府県に対して、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(以下、GCP省令)のガイダンスの改正について、通知した。また同日、それに関連して、治験における品質マネジメントに関する基本的考え方、リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方についても通知した。これらは、医薬品規制調和国際会議(ICH)において、医薬品の臨床試験の実施に関する基準(Good Clinical Practice;GCP)のガイドライン(略称「ICH-E6(R1)」)が改正され、同ガイドラインの補遺(略称「ICH-E6(R2)」)が取りまとめられたことに対応したもので、2020年1月1日から適用する。

ポイント

  • ICT化、記録の電磁化などを背景とした改正
  • GCP省令の原則は、治験に関するすべての情報は正確な報告・解釈・検証が可能なように記録し、取扱い、保存すること
  • 品質マネジメント、モニタリングなどを重視した内容に

GCPガイダンスは省令を逐条的に解説

 わが国では1997年に、ICHによるGCP(以下、ICH-GCP)に基づいてGCP省令を定めている。厚労省では2012年、GCP省令に適合した形で治験等を円滑に実施するための参考書/解説書として「『医薬品の臨床試験の実施基準に関する省令』のガイダンス」(以下、GCPガイダンス)を作成した。

その後、ICHがICH-E6(R2)を取りまとめた。この背景には、従前のICH-E6(R1)が策定された当時、治験の記録・資料は紙ベースだったが、それ以後、急速にパソコンなどが普及し、電磁的な記録・報告が一般的になった、という状況がある。厚労省は、そのICH-E6(R2)を踏まえて、また、これまでのGCP省令の改正などに対応するため、GCPガイダンスを改正し(以下、「改正されたGCPガイダンス」)、都道府県に通知した(薬生薬審発0705第3号)。

GCP省令の構成(目次)は下表のとおりで、GCPガイダンスは、GCP省令を逐条的に解説する形をとっている。また、ICH-E6(R2)が補遺の形をとったのと同様に、改正されたGCPガイダンスは、従前のGCPガイダンスの本文を基本的に残し、部分的な修正をしたうえで、新たな項目と説明を追加している

医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP省令)の目次

第一章 総則
  1. 第1条 趣旨
  2. 第2条 定義
  3. 第3条 承認審査資料の基準
第二章 治験の準備に関する基準
  1. 第一節 治験の依頼をしようとする者による治験の準備に関する基準
      第4~15条(略)
  2. 第二節 自ら治験を実施しようとする者による治験の準備に関する基準
      第15条の2~9 (略)
第三章 治験の管理に関する基準
  1. 第一節 治験依頼者による治験の管理に関する基準
      第16~26条 (略)
  2. 第二節 自ら治験を実施する者による治験の管理に関する基準
      第26条の2~12 (略)
第四章 治験を行う基準
  1. 第一節 治験審査委員会
      第27~34条 (略)
  2. 第二節 実施医療機関
      第35~41条 (略)
  3.   
  4. 第三節 治験責任医師
      第42~49条 (略)
  5. 第四節 被験者の同意
      第50~55条 (略
第五章 再審査等の資料の基準
  1.  第56条 (略)
第六章 治験の依頼等の基準
  1.  第57~59条 (略)
附則

改正されたGCPガイダンスのポイント

 改正されたGCPガイダンスでの、主な改正点は次のとおりである。

 GCP省令第1条は同省令全体の趣旨と原則について説明している。その原則の一つが、治験に関するすべての情報は正確な報告・解釈・検証が可能なように記録し、取扱い、保存すること、というものである。その原則は、本ガイダンスで規定するすべての記録に適用される、という趣旨の追記をした。これは、記録の電磁化、ICT化の進展を反映したものといえる。

GCP省令第2条は用語の定義をしている。新たに定義された「システムバリデーション」とは、電子データ処理システムが必要とされる場合、そのシステムの設計から廃棄まで、または新システムへの移行まで常に最適化および妥当性を検証し、文書化(記録化)する過程をいう、という趣旨の定義をしている。

GCP省令第4条第1項(業務手順書等、治験依頼者の基準)、第15条の2第1項(業務手順書等、自ら治験を実施する者の基準)に関して、治験のすべての過程において品質マネジメントのためのシステムを履行し、被験者保護および治験結果の信頼性確保に必要不可欠な活動に重点的に取り組むこと、治験の品質保証および品質マネジメントは、治験固有のリスクおよび収集する情報の重要性を踏まえて適切な方法を用いて行うべきであること、などを追記した。また、被験者保護や治験結果の信頼性に重大な影響を与える不遵守が発覚した場合には、根本原因を分析し、適切な是正措置および予防措置を講じることを、明確化した。

GCP省令第21条(モニタリングの実施、治験依頼者による場合)第1~2項、第26条の7(モニタリングの実施、自ら治験を実施する場合)に関して、モニタリングの実施に当たっては、事前にリスク評価してその重要度に応じた取り組みを策定すべきであること、適切なモニタリング方法の選択が可能であること、選択したモニタリング戦略の根拠を文書化(モニタリング計画書への記載等)すべきであること、などを追記した。また、モニタリング計画書に記載する内容について、「モニタリング戦略、モニタリングにおける全ての関係者の責務、使用する様々なモニタリング方法及びその使用根拠を説明するとともに重要なデータ及びプロセスのモニタリングについて強調して説明すべきである」と明記した。

GCP省令第41条(記録の保存)第1項に関して、治験責任医師が保存する治験の実施に係る文書・記録について定義を明確化するとともに、治験責任医師および実施医療機関は、治験責任医師および実施医療機関が作成したすべての治験に係る文書・記録の管理権限を有する、とした。

2020年1月1日以降の治験計画届書などから適用

ICH-E6(R2)に基づき改正されたGCPガイダンスは、品質マネジメント、モニタリングを重視したものとなっている。そのため、厚労省は併せて、「治験における品質マネジメントに関する基本的考え方について」(薬生薬審発0705第5号)、「リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方について」(薬生薬審発0705第7号)を通知した

治験の品質マネジメントシステムについては、①重要なプロセスおよびデータの特定、②リスクの特定、③リスクの評価、④リスクのコントロール、⑤リスクコミュニケーション、⑥リスクレビュー、⑦リスク報告に分けて、基本的な考え方を示している。

また、リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方は、上記を踏まえてのもので、品質マネジメントの一環として実施されるものである、としている。また、特に重要な(リスクのある)資料について重点的に閲覧することを意味する、リスクに基づくSDV(Source Document Verification、原資料の直接閲覧)手法について詳しく述べている

なお、改正されたGCPガイダンスは、2020年1月1日以降に治験計画届書または製造販売後臨床試験実施計画書(以下、治験計画届書等)の提出が行われる治験等に適用されるが、厚労省では、通知を発出した2019年7月5日以降に治験計画届書等の提出が行われる治験等については改正後のGCPガイダンスを参考に実施しても差し支えない、としている。