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「遺伝子治療等臨床研究に関する指針」が改正
ゲノム編集技術の進歩や臨床研究法に対応 2019.03.16健康・医療

厚生労働省(以下、厚労省)は2019年2月28日、「遺伝子治療等臨床研究に関する指針の全部を改正する件」の告示(告示第48号)を行い、「遺伝子治療等臨床研究に関する指針」(以下、指針)を全面的に改正し、同年4月1日から適用する。これは、ゲノム編集技術の進歩、臨床研究法が2018年4月1日から施行されたことなどに対応するためのものである。ゲノム編集技術を用いた研究も指針の適用範囲とするために「遺伝子治療等」の定義も見直すなど、全面的な改正になっている。

ポイント

  • 2019年4月1日から新指針を適用
  • ゲノム編集技術を踏まえて「遺伝子治療等」の定義を見直し
  • 臨床研究法と整合性で「重大な有害事象」の定義も見直し

遺伝子治療等臨床研究の一部は臨床研究法の適用も受ける

厚労省は2017年4月12日、指針の見直しを行うため、厚生科学審議会再生医療等評価部会に「遺伝子治療等臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会」(以下、専門委員会)を設置し、第1回の会合を開いた。専門委員会の目的は、ゲノム編集技術が急速に発展し、海外ではすでに臨床試験も実施されていて、今後、国内においてもin vivoex vivoを問わずゲノム編集技術を用いた遺伝子治療等臨床研究の計画が出される可能性を踏まえ、必要な検討を行う、というものであった。また、厚労省は、ゲノム編集技術の概要について次のように説明した。

ゲノム編集技術とはDNAを切断する酵素(制限酵素)を用いた遺伝子改変技術であり、これを利用することにより、ゲノム上の狙った部位で塩基を別の塩基に置き換えたり、新たに塩基を挿入したり削ったりすることができる。

第1回専門委員会が開かれた2日後の2017年4月14日、臨床研究法が公布され、2018年4月1日に施行されることになった。臨床研究法は、臨床研究に対する国民の信頼の確保を図るため、臨床研究の実施の手続、認定臨床研究審査委員会による審査、臨床研究における資金等の提供に関する情報の公表などについて定めたものである。医薬品医療機器等法(旧・薬事法)における未承認・適応外の医薬品等の臨床研究、または製薬企業等から資金提供を受けて実施される当該製薬企業等の医薬品等の臨床研究を「特定臨床研究」と定義し、それを実施する者に対しては、モニタリング・監査の実施、インフォームド・コンセントの取得ほか多くのことを義務付けている。

また、専門委員会が改正後の指針(以下、新指針)の対象として想定しているin vivoの遺伝子治療等臨床研究については、臨床研究法の適用も受けることになった。このため、2018年1月19日に開催した第6回専門委員会からは、臨床研究法との整合性を図りながら指針について検討することにした。このような経緯もあったため、新指針が最終的にまとまるまでに第1回専門委員会の開催から1年半ほどかかった。

生殖細胞等の遺伝的改変の禁止の趣旨を明確化

新指針は、①総則、②遺伝子治療等臨床研究に関し遵守すべき事項等、③臨床研究法に定める臨床研究に該当する遺伝子治療等臨床研究に関し遵守すべき事項等、の3章で構成している。

その告示のあった2019年2月28日、厚労省は、関係する大学・施設や都道府県などに対して、「遺伝子治療等臨床研究に関する指針」の全部改正についての通知を行った。同通知では、新指針での主な改正点として、①用語の定義の見直し、②生殖細胞等の遺伝的改変の禁止の趣旨を明確化、③研究計画書の記載事項にゲノム編集に関する項目を追加、④厚生労働大臣が厚生科学審議会に意見を求める場合についてゲノム編集技術を用いているものを追加、⑤インフォームド・コンセントを受ける手続きほか、臨床研究法に定める臨床研究に該当する研究に関し遵守すべき事項等の明確化――などを挙げている。

新指針において特に理解しておきたいのは、用語の定義の見直し(前出①)である。ゲノム編集技術を用いた研究に対しても新指針を適用するために「遺伝子治療等」の定義を、また臨床研究法との整合性をとるために「重大な有害事象」の定義を、それぞれ下表のように改正している。

「遺伝子治療等」の定義

・この指針において「遺伝子治療等」とは、疾病の治療又は予防を目的とした次のいずれかに該当する行為をいう。
  1. (1) 遺伝子又は遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与すること。
  2. (2) 特定の塩基配列を標的として人の遺伝子を改変すること。
  3. (3) 遺伝子を改変した細胞を人の体内に投与すること。

「重篤な有害事象」の定義

・この指針において「有害事象」とは、実施された遺伝子治療等臨床研究との因果関係の有無を問わず、被験者に生じた全ての好ましくない若しくは意図しない傷病又はその徴候(臨床検査値の異常を含む。)をいう。
・この指針において「重篤な有害事象」とは、有害事象のうち、次のいずれかに該当するものをいう。
  1. (1) 死亡
  2. (2) 死亡につながるおそれのある有害事象
  3. (3) 治療のために医療機関への入院又は入院期間の延長が必要とされる有害事象
  4. (4) 障害
  5. (5) 障害につながるおそれのある有害事象
  6. (6) (1)から(5)までの規定に準じて重篤である有害事象
  7. (7) 後世代における先天性の疾病又は異常

なお、厚労省では、追って、新指針の各規定の解釈や具体的な手続きの留意点などについてQ&Aを作成し、同省のホームページに掲載する、としている。