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治療と仕事の両立支援に取り組む 2019.01.23健康・医療

労働施策基本方針を閣議決定

政府は平成30年12月28日、「働き方改革」の一環として、労働施策基本方針を閣議決定した。同基本方針が示している労働政策は多岐にわたり、育児・介護・治療と仕事の両立支援、産業医・産業保健機能の強化を打ち出している。医療関係者、特に産業医としての仕事をしている医師においては、労働施策基本方針を十分に理解しておくことが望まれる。

ポイント

  • 労働施策総合推進法の改正に基づき労働施策基本方針を閣議決定
  • 産業医がメンタルヘルスの観点から長時間労働者に面接指導など
  • がん、難病、脳血管疾患、肝炎などの治療と仕事の両立を支援

産業保健などで産業医が重要な役割

平成30年7月6日に公布されたいわゆる「働き方改革関連法」により、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(略称「労働施策総合推進法」)が改正され、それに基づき、同30年12月28日、労働施策基本方針を閣議決定した。労働者が能力を有効に発揮できるようにするための基本的な方針を政府が閣議決定したのは、今回が初めてである。

労働施策基本方針の章立ては、①労働者が能力を有効に発揮できるようにすることの意義、②労働施策に関する基本的な事項、③労働者が能力を有効に発揮できるようにすることに関するその他の重要事項――となっている。その中心をなす第2章においては、「労働時間の短縮等の労働環境の整備」として、産業医・産業保健機能を強化して長時間労働の是正を図る。また、「治療と仕事の両立支援」の面でも、産業医をはじめとする医療関係者が重要な役割を果たすことになる。(図表参照)

労働施策基本方針の構成

1章 労働者が能力を有効に発揮できるようにすることの意義
  1. 1 働き方改革の必要性
  2. 2 働き方改革の推進に向けた基本的な考え方
  3. 3 労働施策基本方針に基づく働き方改革の推進
2章 労働施策に関する基本的な事項
  1. 1 労働時間の短縮等の労働環境の整備
    1. (6)産業医・産業保健機能の強化
      • 長時間労働者に対する面接指導や健康相談等
  2. 2 均衡のとれた待遇の確保、多様な働き方の整備
  3. 3 多様な人材の活躍促進
  4. 4 育児・介護または治療と仕事の両立支援
    1. (1)育児や介護と仕事の両立支援
      • 育児・介護休業法に基づく措置の確実な履行確保および周知
      • 男性による育児休業等の取得や中小企業における取組の促進
    2. (2)治療と仕事の両立支援
      • 企業における雇用環境改善の促進、保健医療施策や福祉施策等との連携を含めた総合的かつ横断的な対策の実施
      • がん診療連携拠点病院等と連携した就職支援
  5. 5 人的資本の質の向上、職業能力評価の充実
  6. 6 転職・再就職支援、職業紹介等の充実
  7. 7 働き方改革の円滑な実施に向けた連携体制整備
3章 労働者が能力を有効に発揮できるようにすることに関するその他の重要事項
  1. 1 下請取引に関する対策強化
  2. 2 生産性向上のための支援
  3. 3 学校段階における職業意識の啓発、労働関係法令等に関する教育の推進

目指す社会

  • 誰もが生きがいを持って、能力を有効に発揮することができる社会
  • 多様な働き方を可能とし、自分の未来を自ら創ることができる社会
  • 意欲ある人々に多様なチャンスを生み出し、企業の生産性・収益力の向上が図られる社会

ハローワークががん診療連携拠点病院等と連携して就職支援

まず、産業医・産業保健機能の強化として、産業医は労働安全衛生法に基づき、メンタルヘルスの観点から、長時間労働者に対する面接指導、健康相談などを確実に実施する。また、産業医の選任義務のない労働者数50人未満の小規模事業場に対して、産業保健の強化のため、支援の充実を図る。

治療と仕事の両立支援としては、主として、がん、難病、脳血管疾患、肝炎などの治療によって就業の継続に支障がある労働者に対して、例えば働いている時間でも医療機関を受診しやすい環境を作るなど、治療と仕事の両立をサポートする仕組みを整える。併せて、医療機関における支援体制も整備する。また、がんにより長期にわたって治療を受けていて就職を希望する者に対しては、公共職業安定所(ハローワーク)が、がん診療連携拠点病院と連携するなど、就職支援の充実を図る。

なお、厚生労働省は、平成28年2月に「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を取りまとめ、以後、その内容を充実させている。特に、がん、脳卒中、肝疾患、難病の治療と仕事との両立には支援が不可欠であり、支援する側においては、同ガイドラインは必見であるといえよう。