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厚労省がプログラム医療機器に該当しないものの例示を追加 2019.01.21健康・医療

汎用コンピュータや携帯端末にインストールして使うソフトウエア(プログラム)で、疾病の診断・治療・予防などに用いるものについては、プログラム単体が「プログラム医療機器」として医療機器に該当することが、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法、旧・薬事法)において規定されている。したがって、プログラム医療機器に該当するソフトウエアを医療の現場で使用するのであれば医薬品医療機器等法に基づく承認が必要となる。その該当性の判断基準について、厚生労働省では、平成26年11月14日付けの通知「プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方」において具体的に例示している。同省は、平成30年12月28日、これの一部改正についての通知を発出し、医療機器に該当しないと考えられるプログラムを追加した。

ポイント

  • 従来、医療機器にインストールされているプログラムは医療機器として扱われていたが、単体のプログラムでも診断・治療などに使うものは「医療機器」に該当
  • 教育用や患者説明用のプログラムは「医療機器」に該当せず
  • ビッグデータを使うプログラムおよびAI活用では「医療機器」に該当するか否か注意が必要

プログラム医療機器に該当するプログラム、該当しないプログラム

プログラム医療機器についての基本的な考え方は、医薬品医療機器等法や「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令」で示されている。プログラム医療機器に該当するのは、人の疾病の診断、治療もしくは予防に使用されることが目的のもの、または人の身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすことが目的とされているもの。ただし、身体機能に障害等が生じた場合でも人の生命・健康に影響を与えるおそれがほとんどないプログラムについては、除外されている。これらを具体的に例示したのが「プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方」の通知(平成26年11月発出)で、これについての改正が平成30年12月28日に通知されたので、その一部を下表に示す。

医療機器に該当するプログラム、該当しないプログラム※改正部分を朱記

医療機器に該当するプログラム
(1) 医療機器で得られたデータ(画像を含む)を加工・処理し、診断または治療に用いるための指標、画像、グラフ等を作成するプログラム 例示:①~⑥略
(2) 治療計画・方法の決定を支援するためのプログラム(シミュレーションを含む) 例示:①~⑥略
医療機器に該当しないプログラム
(1) 医療機器で取得したデータを、診療記録として用いるために転送、保管、表示を行うプログラム 例示:①~⑤略
(2) データ(画像は除く)を加工・処理するためのプログラム(診断に用いるものを除く) 例示:①~③略 例示:追加
④ 糖尿病のような多因子疾患の一部の因子について、入力された検査結果データと特定の集団の当該因子のデータを比較し、入力された検査結果に基づき、当該集団において当該因子について類似した検査結果を有する者の集団における当該疾患の発症確率を提示するプログラム、又は特定の集団のデータに基づき一般的な統計学的処理等により構築したモデルから、入力された検査結果データに基づく糖尿病のような多因子疾患の発症確率を提示するプログラム
(3) 教育用プログラム 例示:①②略
(4) 患者説明用プログラム 例示:①略
(5) メンテナンス用プログラム 例示:①~③略
(6) 院内業務支援プログラム 例示:①~③略
(7) 健康管理用プログラム 例示:①~⑩略
(8) 一般医療機器(機能の障害等が生じた場合でも人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないもの)に相当するプログラム 例示:①~④略 例示:追加
⑤CT撮像装置や歯科用の3Dスキャナ等から得られた患者の歯列形状のデータを用いてコンピュータ上で仮想的な歯列模型を表示し、有体物の歯科模型から得られる情報と同等の情報(歯列の現在の形状や歯の位置関係や角度、距離等)のみを提示するプログラム(歯列模型表示プログラム)

多因子疾患の一部因子から発症確率を提示するプログラムはプログラム医療機器に該当せず

厚生労働省が平成30年12月28日付けの通知において、プログラム医療機器に該当しないプログラムの例示として追加したのは「データ(画像は除く)を加工・処理するためのプログラム(診断に用いるものを除く)」、「一般医療機器(機能の障害等が生じた場合でも人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないもの)」に分類されるものである。

まず、「データ(画像は除く)を加工・処理するためのプログラム(診断に用いるものを除く)」に分類、新たに例示されたプログラムは、①糖尿病のようにリスク因子が多い疾患の場合、その一部のリスク因子から発症確率を提示するプログラム、②特定の集団の検査結果データに基づき一般的な統計学的処理等によって作成したモデルを用いて、疾患の発症確率を提示するプログラムである。それらは、あくまでも発症確率を提示するプログラムであって、診断に用いるものではないので、プログラム医療機器には該当しない。

また、原則として一般医療機器に相当するものは医薬品医療機器等法の規制の対象外だが、今回、「一般医療機器(機能の障害等が生じた場合でも人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないもの)」に分類、新たに例示されたのは、CT撮像装置や歯科用の3Dスキャナ等から得られた患者の歯列形状のデータを用いてコンピュータ上で仮想的な歯列模型を表示するプログラム(歯列模型表示プログラム)である。これは、歯の位置関係などを可視化するプログラムであり、矯正後の状態をシミュレーションするような機能は持っていないので、プログラム医療機器には該当しない。

ビッグデータを活用するプログラムおよびAIが検討課題に

今回、プログラム医療機器に該当しないプログラム「データ(画像は除く)を加工・処理するためのプログラム(診断に用いるものを除く)」に、新たに多因子疾患に関する例示がなされた背景には、保健・医療関連の一部領域でのデータが集積され、いわゆるビッグデータとして使えるようになったこと。また一方で、AI(人工知能)を用いた分析・診断なども技術的に可能な状況になってきている、ということが挙げられる。

そのような状況を踏まえて、厚生労働省が平成30年7月に設置した「保健医療分野AI開発加速コンソーシアム」では、AI技術を利用した医療機器の医薬品医療機器等法上の対応などについて説明している。しかし、AIが自ら学習し、自動的に進化する機能を持っていること、その技術の進歩が速いことなどから、どのようなAIがプログラム医療機器に相当するのか、明確な基準は示されていない。

いずれにしても、ビッグデータを活用するプログラム、AI技術を応用したプログラムを開発し、地域住民あるいは患者などに対して使用しようとする場合は、厚生労働省の一連の通知(前述)を踏まえて慎重に検討する必要があるといえよう。