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リウマチ対策が変わる:リウマチ等対策委員会が報告書 2018.12.03健康・医療

厚生労働省の厚生科学審議会疾病対策部会・リウマチ等対策委員会は平成30年11月7日、リウマチ(以下「関節リウマチ」を意味する)についての新たな課題を踏まえて、報告書をまとめ、公表した。これまで同省は、疾病対策部会のリウマチ・アレルギー対策委員会が平成23年8月に取りまとめた報告書(以下、旧報告書)に基づいてリウマチ対策を展開してきたが、およそ7年ぶりにリウマチ対策が大きく改められることになる。

ポイント

  • 専門医療機関への紹介基準を作成、普及
  • リウマチ患者に対する治療薬の減量・休薬・中止の方法について検討
  • 専門的な知識・技能を有する医師の育成
  • リウマチ患者を支援するための専門的知識・技能を有する人材の育成
  • リウマチの病態について情報を広める
  • 相談体制の充実、疫学研究および医学的介入の研究の推進

リウマチ疾患対策の背景

旧報告書の公表から7年が経過する間に、リウマチについては、メトトレキサートや生物学的製剤による治療が標準化され、疾患活動性を低く保ち、関節破壊を防ぐことができるようになってきた。平成27年度の時点では60%以上の患者が疾患活動性の低い状態を維持していて、10年前と比べるとその割合は30ポイント以上増加している。そのため、滑膜切除術や人工関節置換術などの手術件数は大幅に減少した。

わが国におけるリウマチの有病率は0.6~1.0%、患者数は60万~100万人と推定される(Yamanaka, et al. Modern Rheumatol 2014: 24(1):33-40.)。一方、厚生労働省の平成26年患者調査では、リウマチ患者数は約33万人と推計され、リウマチの患者数については、さまざまな報告がある。

リウマチの治療法は進歩したが、生物学的製剤については減量・休薬・中止に関する検討は不十分である。また、小児から高齢者まで各世代において、妊娠・出産も含めたライフイベント、仕事と生活の両立に対する支援が必要となっている。

そのような状況を踏まえて、報告書は、全体目標と個別対策の方向を示している。

報告書における全体目標と個別対策

全体目標

個別対策の中で注目すべき点は、「医療の提供等」である。日本リウマチ学会は「関節リウマチ診療ガイドラインJCR2014に基づく一般医向け診療ガイドライン」を改訂し、一般医療機関から専門医療機関へ紹介する基準を追加して、それを広く普及させる。また、関連学会・団体は、内科や整形外科など関連する診療科間での連携システムを構築。国は、その連携システムのモデル事業を行い、好事例を示す。

関係学会は、疾患活動性が低下しているリウマチ患者に対する治療薬の減量・休薬・中止の方法について検討、診療ガイドラインに反映させ、普及させる。同時に、専門的な知識・技能を有する医師の育成を推進、医師や診療科の偏在の解消を図る。

国は、地方公共団体や関係学会と連携し、小児期および移行期における年代に応じたリウマチ診療の充実を図る。また、関係学会は国と連携し、仕事、学校生活、妊娠・出産などのライフイベントに対応できるよう、診療ガイドラインを充実させる。

関係学会や関係団体は、薬剤師、保健師、看護師、理学療法士、社会福祉士、ケアマネジャーなどを対象に研修などを行い、リウマチ患者の社会生活参加を支援するための専門的知識・技能を有する人材を育てる

個別対策の二番目の柱である「情報提供・相談体制」については、国は地方公共団体、関係団体、学校などと連携し、リウマチ患者の病態について正しく認識してもらうよう、情報を広める。また、国は、リウマチ相談員の養成、ピアサポートの充実・強化などを通じて、リウマチ患者が必要とする相談体制を充実させる

三番目の柱である「研究開発等の推進」として、国は関係学会などと連携し、種々のデータベース、コホート研究などを用いて、患者数や年齢分布、合併症や副作用、診療や社会生活の実態を十分に把握するため、疫学研究を推進する。また、リウマチの治療や予防に役立つ研究、リウマチ発症のハイリスク集団への発症前からの医学的介入に関する研究を推進する

それらの対策・施策について、国は適宜、有識者の意見なども聞きながら、評価を行う。また、地方自治体が実施する施策を把握し、より的確かつ総合的なリウマチ対策を講じていく。

なお、報告書では「おわりに」として、他領域と同様に遠隔医療、データヘルス、ゲノム、AIなどの先端技術についても触れ、それらはリウマチ対策を大きく前進させると考えられる、としている。