ログイン・会員登録

会員の方

ID・パスワードをお持ちの方は、
こちらからログインください。

パスワードをお忘れの方はこちら

認証キーの承認をされる方はこちら

2016年1月より会員IDがメールアドレスに統一されました。

会員登録されていない方

会員限定コンテンツのご利用には、会員登録が必要です。

新規会員登録

サイトマップお問合わせ

  • 新規会員登録
  • ログイン

在宅医療機器等への電波の影響に関する調査結果で通知 2018.10.15健康・医療

厚生労働省は平成30年9月28日、総務省からの協力依頼を受けて、都道府県などに対して、「総務省による平成29年度『電波の植込み型医療機器及び在宅医療機器等への影響に関する調査等』報告書について」の通知を発出した。これは、携帯電話端末の電波の影響を受けて誤動作が生じた一部の在宅医療機器において、取扱説明書などに携帯電話端末と離すべき距離について具体的に示されていないという状況があったため、総務省と厚生労働省が対応したものである。

植込み型心臓ペースメーカー等では影響なし

総務省では、平成12年度以来、毎年、携帯電話などからの電波が心臓ペースメーカーほか医療機器に与える影響について調査し、報告書をまとめている。平成29年度においては、①携帯電話端末から発射する電波が植込み型心臓ペースメーカー等に与える影響の調査、②携帯電話端末から発射する電波が在宅医療機器へ及ぼす影響の調査――を行い、「電波の植込み型医療機器及び在宅医療機器等への影響に関する調査等」報告書(以下、報告書)としてまとめている。それによると、①では、設定した条件において影響はみられず、総務省による「携帯電話端末の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」(平成25年1月改正)が妥当であることが、あらためて確認された。ちなみに、同指針では、携帯電話端末を植込み型医療機器の装着部位から15cm程度以上離すこととしている。

②については、まず、在宅医療機器を一般的な治療等の動作状態にして、模擬システムによるスクリーニング測定を行った。対象とした在宅医療機器は、汎用輸液ポンプ(商用電源、電池)、注射筒輸液ポンプ(商用電源、電池)、自動腹膜
灌流用装置(商用電源)、酸素濃縮装置(商用電源)、成人用人工呼吸器(商用電源、電池)、二相式気道陽圧ユニット(商用電源、電池)である。方法は、在宅医療機器表面から1cm程度まで接近させた状態で規定の電波を模擬システムのアンテナから照射しつつ移動させて、その影響を測定する。

在宅医療機器への電波の影響については、カテゴリー1(不具合は起きていない状態)から10(発火や破裂等が発生する状態)まで、10段階に分類し評価している。今回の調査では、カテゴリー7の「アラームの有無に関わらず、重要な設定値の消失を伴う動作停止、または重要な機能や設定値に不可逆的な不具合が起きている状態」、カテゴリー6の「アラームの有無に関わらず、重要な機能や設定値に可逆的な不具合が起きている状態」などが発生している。

また、在宅医療機器の不具合状態については、電波発射源を離せば機器の動作が元の正常な状態に復帰する場合を「可逆的状態」、電波発射源を離しても機器の障害が自然に消失せず、何らかの操作や技術的手段を施さなければ元の動作設定や正常な動作に復帰しない場合を「不可逆的状態」と分類している。

携帯電話端末の実機では在宅医療機器25台中9台に影響が

スクリーニング測定では、対象とした在宅医療機器25台中14台に影響が出た。その14台を対象に、携帯電話端末の実機(以下、端末実機)の電波を用いて、あらためて影響について測定した。スクリーニング測定で影響が出た在宅医療機器の表面から1cm程度まで端末実機を接近させ、影響を記録した。その結果、9台の在宅医療機器に影響が出た。スクリーニング測定を行った25台の36%に影響が出たことになる。

比較的大きな影響としては、注射筒輸液ポンプにおいて、スクリーニング測定でカテゴリー7の影響が出たが、端末実機では影響は出ていない。ただし、端末実機によって、成人用人工呼吸器(商用電源、電池)と二相式気道陽圧ユニット(商用電源、電池)でカテゴリー6の影響が出ている。その影響とは、成人用人工呼吸器では「自発呼吸の誤検知」、二相式気道陽圧ユニットでは「圧力供給の異常と圧力波形の表示が乱れる」、「自発呼吸がないと判断し、バックアップのための圧力が2回出力される」といったものである。

そのような影響が出た成人用人工呼吸器、二相式気道陽圧ユニットは、いずれも患者の呼吸流量や圧力、温湿度などを各種センサーによって検知しているため、一定の感度を確保する必要がある。そのため、報告書では、電磁遮蔽等の対策を行うことが難しい可能性がある、としている。機器の機構上の制約によって電波の影響を受けやすくなることも想定される。

推奨離隔距離を確保することなどの啓発活動を

成人用人工呼吸器、二相式気道陽圧ユニットそれぞれにおいて、医療従事者に向けた添付文書、患者・家族などに対する取扱説明書が用意されている。成人用人工呼吸器(3台)の添付文書には電波の影響を避けるための注意事項の記載はなかった。その取扱説明書では、一定の距離を置くことといった記載はあるが、具体的な距離は明示されていない。また、二相式気道陽圧ユニット(2台)では、添付文書、取扱説明書ともに電波の影響を避けるための具体的な記載がある。例えば、取扱説明書では「携帯電話やPHSは1m以上離して使用してください」としている。しかし、現実には、1mよりも近い距離で携帯電話等が使われてしまう可能性もあることから、報告書では、医療従事者は患者および家族等の使用状況について把握することとしている。さらに、医療機器の設定または設置環境を考慮するとともに、携帯電話等の電波を発する装置は医療機器との間に推奨される距離を確保することなどの啓発活動を継続する必要がある、と指摘している。