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第15回医療介護総合確保促進会議を開催
総合確保方針の次期改定に向けて議論開始 2021.12.01地域共生社会

厚生労働省(厚労省)は令和3年10月11日、第15回医療介護総合確保促進会議を開き、医療介護総合確保促進法に定める「地域医療介護総合確保基金」の執行状況、医療・介護の総合確保に向けた新たな取組などについて報告するとともに、「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針」(総合確保方針)の次期改定に向けて検討を始めた。同会議では令和4年末までに、総合確保方針の改定案をまとめることとした。

ポイント

  • 診療報酬・介護報酬の同時改定となる令和6年度を目途に、総合確保方針を改定
  • 総合確保方針の改定に向けた議論の「たたき台」が出される
  • 地域共生社会の考え方を反映させるべきとの意見も

平成28年12月に総合確保方針を一部改正

平成26年に成立した「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」により、「地域における公的介護施設等の計画的な整備等の促進に関する法律」の題名が「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」(医療介護総合確保促進法)に改められた。

その法改正より、都道府県の事業計画に記載した医療・介護の事業、例えば病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進などのために、消費税を活用した地域医療介護総合確保基金(以下、基金)を都道府県が設置できることとなった。また、厚生労働大臣は、地域における医療および介護を総合的に確保するための基本的な方針(総合確保方針)を定めなければならない、とされた。

それらの新たな規定を踏まえて、厚労省は平成26年7月、医療介護総合確保促進会議を設置し、総合確保方針について検討を開始した。それにより、同年9月12日に総合確保方針が制定・告示された。また、平成30年度から始まる医療計画や介護保険事業(支援)計画/介護報酬改定と整合性をとることなど主な目的として、同28年12月26日に総合確保方針の一部が改正されている。

現在の総合確保方針(平成28年12月26日一部改正)では、基本的な方向性として次の5つを打ち出している。

  1. (1) 効率的で質の高い医療提供体制の構築と地域包括ケアシステムの構築
  2. (2) 地域の創意工夫を活かせる柔軟な仕組みを目指すこと
  3. (3) 質の高い医療・介護人材の確保と多職種連携の推進
  4. (4) 限りある地域の社会資源の効率的かつ効果的な活用
  5. (5) 情報通信技術(ICT)の活用

基金は国が原則2/3を負担する

基金については平成26年度から都道府県の事業として始まっているが、その負担割合は、国が2/3、都道府県が1/3である。

基金を充てて実施する事業については、一定の区分をしたうえで、範囲が定められている。また、令和3年の通常国会で成立し、5月28日に公布(一部施行)された「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等改正の趣旨 の一部を改正する法律」により、地域医療構想の実現を目的とした厚労省の病床機能再編支援事業が基金(事業区分Ⅰ‐2、下記)に位置付けられたが、これは国が全額負担することになっている。

現在、基金により実施する事業は次のような区分になっている。

  1. Ⅰ‐1 地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設または設備の整備に関する事業
  2. Ⅰ‐2 地域医療構想の達成に向けた病床の機能または病床数の変更に関する事業
  3. Ⅱ 居宅等における医療の提供に関する事業
  4. Ⅲ 介護施設等の整備に関する事業
  5. Ⅳ 医療従事者の確保に関する事業
  6. Ⅴ 介護従事者の確保に関する事業
  7. Ⅵ 勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備に関する事業

基金の令和3年度予算額は、公費ベース(国と都道府県の負担額を合わせた金額)で2,003億円。うち、医療分が1,179億円(うち国分851億円)、介護分が824億円(うち国分549億円)である。

医療分は新型コロナの影響などで未執行も

第15会会議では、平成26年度~令和元年度における基金の医療分・介護分の執行状況が報告された。

医療分(平成26年度~令和元年度)の予算額は5,582億円(うち国費3,721億円)で、交付総額は5,372億円(同3,582億円)、執行(予定)総額は4,614億円(同3,076億円)となっている。

そのように、交付総額と比べて執行(予定)総額が700億円以上少ないことについて、同会議の構成員から質問が出た。それに対して、厚労省が「我々としては残すようにというような指導はしていない」としたうえで、複数年度にわたって実施する事業について後年度の負担も確保していること、新型コロナウイルス感染症の影響で地域医療構想調整会議が開催できないことなどの理由を挙げるとともに、未執行額は次第に解消される、との見通しを示した。

医療分の令和2年度の交付状況(区分別)は、次のとおりである。

  1. ①地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設または設備の整備に関する事業(前述Ⅰ‐1の事業)が330.0億円(うち国費220.0億円)
  2. ②居宅等における医療の提供に関する事業(前述Ⅱの事業)が46.5億円(同31.0億円)
  3. ④医療従事者の確保・養成に関する事業(前述Ⅳの事業)が429.8億円(同286.5億円)
  4. ⑥勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備に関する事業(前述Ⅵの事業)が28.0億円(同18.6億円)

この基金が発足した当初より、医療関係団体などから、公的機関を優先するのではなく、民間機関にも十分に交付してもらいたい、という趣旨の要望が出ていた。令和2年度でみると、交付額全体に占める割合は、民間機関60.0%、公的機関27.9%、交付先未定12.0%となっている。

医療分での主な取組事例も紹介されたが、例えば在宅医療提供体制強化事業(北海道)では、在宅医と在宅医療未経験医師によるグループを編成し、日常診療時での指導・助言ほか定期的なカンファレンスや学習会を通じて、在宅医を養成する。また、各事業では、アウトプット指標(当初の目標値と達成値)、アウトカム指標(事業によるアウトプットで期待される変化など)が設定されていて、事後評価も行われる。

介護分では介護助手導入支援事業など

介護分の交付は医療よりも1年遅れたが、平成27年度~令和元年度については、予算額が3,721億円(うち国費2,481億円)で、交付総額は3,158億円(同2,106億円)、執行(予定)総額は2,525億円(同1,684億円)となっている。

令和2年度の交付状況は、次のとおりである。

  1. ③介護施設等の整備に関する事業(前述Ⅲの事業)が418.0億円(うち国費278.7億円)
  2. ⑤介護従事者の確保に関する事業(同Ⅴの事業)が146.3億円(同97.5億円)

交付額の全体に占める割合は、民間機関69.3%、公的機関10.6%、交付先未定20.1%となっている。

また、介護従事者の確保に関する事業の事例の1つとして、介護助手導入支援事業(徳島県)が紹介された。これは、就労を希望するシニア層などについて、介護施設において介護周辺業務のOJT研修を行うとともに、フォローアップなどで定着支援を行う、というものである。シニアの生きがいづくりにもつなげていく。

「たたき台」では、引き続き地域包括ケアシステムの構築を進めることなど

総合確保方針が平成28年12月に一部改定されてから約5年が経過している。令和6年度からは第8次医療計画、第9期介護保険事業(支援)計画が始まるため、それに先だって、医療計画基本方針、介護保険事業計画基本指針の改定が行われることになる。また、令和6年度は、診療報酬・介護報酬の同時改定も行われる。それを踏まえて、医療介護総合確保促進会議では令和4年末を目途に、総合確保方針の次期改定に向けての議論を行い、その改定案をまとめる。

併せて、厚労省は、その議論のたたき台を提示した(下表)。

医療介護連携を推進するために議論していくべき論点(たたき台)

  1. ○ 新型コロナウイルス感染症の拡大への対応は、医療・介護分野における重要なテーマであるが、総合確保方針の改定に向けた議論においては、足下の感染症対策はもちろんのこと、人口動態の変化への対応など、より長期的な事項について検討すべきではないか。
  2. ○ 引き続き「地域包括ケアシステム」の構築を進め、一層の医療介護連携政策を推進していくことが重要ではないか。
  3. ○ また、介護・医療間の情報共有を可能にするための標準化など、より一層のデジタル化による医療・介護の情報連携の強化が重要ではないか。

その「たたき台」に対して、複数の構成員から、ICTを重視する発言が出た。また、看護界を代表する構成員が「今後は人口減少が見込まれている」としたうえで、「地域共生社会を目指していくことについての言及が必要かと思う。現場では、医療と介護の連携だけではなかなか解決が難しいことへの対応が迫られている状況もあり、ぜひ、障害福祉計画等との連動性にも視点を向けて、指針の中に(地域共生社会が)反映されるべきではないか」と意見を述べた。

なお、同会議は今後、開催頻度を増やし、議論を行うことになる。