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地域医療連携推進法人が26に増加
北海道から九州まで、ほぼ全国的に設立 2021.07.01地域共生社会

厚生労働省(厚労省)は、このほど、4月7日現在の地域医療連携推進法人の数、それらの概要などについて公表した。それによると、平成29年4月に制度化された地域医療連携推進法人は26法人あり、着実に増えている。また、地域医療連携推進法人は、地域医療構想を達成するための1つの選択肢になることも期待されている。

ポイント

  • 地域医療構想を達成するための1つの選択肢に
  • 地域医療連携推進法人の主体は民間病院、公立・公的病院、大学病院、自治体など、タイプはさまざま
  • 多くの地域医療連携推進法人が人事交流や共同研修を実施または検討

平成27年に成立した「医療法の一部を改正する法律」に基づき制度化

政府が平成26年6月24日に閣議決定した「『日本再興戦略』改訂2014-未来への挑戦-」で、医療・介護等を一体的に提供する非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)の創設を打ち出した。同制度により、地域内の医療・介護サービス提供者の機能分化、連携の推進などに向けた制度改革を進め、医療、介護サービスの効率化・高度化を図り、地域包括ケアを実現する、というのである。

それを踏まえて、厚労省が制度設計を行うとともに、平成27年の通常国会で「医療法の一部を改正する法律」を成立させた。それにより改正された医療法に基づき、地域医療連携推進法人制度が創設された。同制度の主な目的は、医療機関相互間の機能の分担や業務の連携を推進し、競争ではなく協調を進めることで質が高くて効率的な医療提供体制を確保すること、である。

地域医療連携推進法人は、都道府県知事が一般社団法人として認定するものである。地域医療連携推進法人に参加できるのは、例えば医療法人、社会福祉法人、NPO法人など、非営利で医療機関の運営あるいは地域包括ケアに関する事業を行っている法人である。病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院のいずれかを運営する法人が複数(2以上)参加することが、その認定基準の一つとなっている。

また、地域医療連携推進法人は、参加する法人の連携を推進する区域(医療連携推進区域)、医療連携推進の方針を定めたうえで、業務(医療連携推進業務)を実施する。その医療連携推進区域は、原則として地域医療構想区域(二次医療圏に相当)とされている。地域医療連携推進法人の全国的な事業展開は想定されていないが、全国規模の組織であっても、地域の支部に相当する部門が参加することは可能である。

その医療連携推進業務としては、①病床や診療科の再編・病床融通、②医療従事者の研修、③医薬品や医療機器の共同購入・供給、④参加法人への資金の貸付け、などが想定されている。

地域医療連携推進法人制度は平成29年4月2日からスタート

地域医療連携推進法人制度は、前述の「医療法の一部を改正する法律」の関連する条項の施行とともに、平成29年4月2日からスタートした。その認定の数は、平成29年度が4法人、同30年度が3法人、令和元年度(平成31年4月含む)が9法人、同2年度が8法人、同3年度(4月7日現在)が2法人で、合計で26法人となる。いわゆるコロナ禍の同2年度においても、前年度に匹敵する数の認定が行われるなど、着実に増加している。  令和3年4月7日現在の26の地域医療連携推進法人の名称、所在地(道府県)は、下表のとおりである。その所在地は、北海道、東北、関東、東海、近畿、中国、四国、九州と、ほぼ全国にわたっている。ただし、東京には存在せず、北陸地方など日本海側の県においては少ない。

その26の地域医療連携推進法人を構成する法人(参加法人)で見ると、主体となっているのが民間病院、公立・公的病院、大学病院、自治体など、さまざまなタイプがある。また、参加法人の数は、2~3法人(自治体/自治体病院含む)程度から30を超えるものまである。

地域医療連携推進法人一覧 (令和3年4月7日現在、26法人)

所在地
(道府県)
名称 認定年月日
北海道 南檜山メディカルネットワーク 令和2年9月1日
北海道 上川北部医療連携推進機構 令和2年9月1日
青森県 上十三まるごとネット 令和3年3月29日
山形県 日本海ヘルスケアネット 平成30年4月1日
福島県 医療戦略研究所 平成30年4月1日
福島県 ふくしま浜通り・メディカル・アソシエーション 令和元年10月1日
茨城県 桃の花メディカルネットワーク 令和元年11月29日
栃木県 日光ヘルスケアネット 平成31年4月1日
千葉県 房総メディカルアライアンス 平成30年12月1日
神奈川県 さがみメディカルパートナーズ 平成31年4月1日
岐阜県 県北西部地域医療ネット 令和2年4月1日
静岡県 ふじのくに社会健康医療連合 令和3年4月7日
愛知県 尾三会 平成29年4月2日
滋賀県 滋賀高島 平成31年4月1日
滋賀県 湖南メディカル・コンソーシアム 令和2年4月1日
大阪府 北河内メディカルネットワーク 令和元年6月12日
大阪府 弘道会ヘルスネットワーク 令和元年6月12日
兵庫県 はりま姫路総合医療センター整備推進機構 平成29年4月3日
兵庫県 川西・猪名川地域ヘルスケアネットワーク 令和3年4月1日
岡山県 岡山救急メディカルネットワーク 令和3年3月30日
島根県 江津メディカルネットワーク 令和元年6月1日
広島県 備北メディカルネットワーク 平成29年4月2日
高知県 清水令和会 令和2年3月31日
高知県 高知メディカルアライアンス 令和2年12月28日
佐賀県 佐賀東部メディカルアライアンス 令和3年1月29日
鹿児島県 アンマ 平成29年4月2日
  1. 資料:厚生労働省「地域医療連携推進法人制度について」
  2. 注:正式名称において冠している「地域医療連携推進法人」は省略

複数の法人が診療機能や病床機能の見直しを実施または検討

地域医療連携推進法人の実情については、厚労省が令和2年1月に実施した「地域医療連携推進法人に関するアンケート調査」の結果から知ることができる。

それによると、回答のあった14法人において、医療連携推進業務としては、多くの法人が、人事交流や共同研修を実施または検討している。複数の法人が、診療機能や病床機能の見直しを実施または検討していて、病床融通も始まっている。ただし、貸付や出資を行っている法人はない。

会費については、14法人のうち13法人が徴収している。また、徴収しないと回答した1法人については、監査費用など個別の費用が発生した際に徴収することにしている。

その13法人での会費の金額は、10万円以下が5法人、20万円以下が4法人で、過半数が20万円以下だが、50万円~100万円が2法人ある。

地域医療連携推進法人による「使用ガイド付きの医薬品集」が中医協で紹介される

地域医療連携推進法人の中でも、厚労省の審議会や検討会などで取り上げられるなど行政レベルでの注目度が比較的高いのが、山形県・酒田市病院機構を中心に、地域の医師会、歯科医師会、薬剤師会、民間病院、社会福祉法人などが参加する日本海ヘルスケアネットである。

例えば、平成31年4月19日に開催された第1回「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」で、構成員が、地域医療連携推進法人の成功例として日本海ヘルスケアネットを取り上げた。また、その成功の理由について「何をやるかというのが明確になっていて、それを一つ一つ実行しています。かつ、県と市の協力が非常に強い。そういう体制をつくれるかどうかです。そこへ参加すれば、社会福祉法人は、仮に人口が減る中でも自分たちの役割を新たに見つけていくことができます」と述べている。

また、令和元年6月26日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、医薬品・医療機器の効率的かつ有効・安全な使用等についての議論の際、日本海ヘルスケアネットが作成した地域フォーミュラリー(使用ガイド付きの医薬品集)が、紹介された。令和2年度診療報酬改定ではフォーミュラリーを活用することについての評価はなされなかったが、同4年度改定に向けて、あらためて検討課題となる。

改正医療法施行後5年目の見直しの時期に

今後、新型コロナウイルス感染症対策と地域医療構想を推進する過程で、地域医療連携推進法人が注目されることになりそうだ。

例えば、令和3年4月26日に開催された経済財政諮問会議で、有識者議員4名が連名で「社会保障改革-新型感染症を踏まえた当面の重点課題-」と題する意見を提出し、医療提供体制における緊急時対応の強化、平時の構造改革の推進を強調した。また、「平時の構造改革」として、「地域医療連携推進法人制度の活用等を通じて、病院の連携強化や大規模化を強力に推進すべき」と指摘している。

また、地域医療連携推進法人制度は見直しの時期に来ている。平成27年9月15日に開催された参議院・厚生労働委員会で、「医療法の一部を改正する法律案」を可決した際、「本法の施行後5年を経過した場合に、本法による改正後の医療法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるときは、地域医療連携推進法人制度が地域医療構想の達成のために有効に機能しているか、地域の医療提供体制に過不足が生じていないか等について十分検討し、必要な措置を講ずること」という附帯決議がなされているのである。

コロナ禍における地域医療連携推進法人の役割と成果を踏まえて、同法人制度の見直しが、当面の重要な検討課題となる。