日本腎臓学会 日本医療研究開発機構「医薬品等規制調和・評価研究事業」腎領域における慢性疾患の臨床評価ガイドライン策定研究班
日本腎臓学会は、2018年3月、日本医療研究開発機構「医薬品等規制調和・評価研究事業」腎領域における慢性疾患の臨床評価ガイドライン策定研究班による「腎領域における慢性疾患に関する臨床評価ガイドライン」を日本腎臓学会誌に掲載するとともに、日本腎臓学会ホームページ上で公開した。
慢性腎臓病(CKD)や糖尿病性腎臓病などの腎領域における慢性疾患の治療満足度は低く、新薬の開発が求められている。一方で、CKDの末期腎不全のエンドポイントである透析導入や腎移植について、その追跡に長期間かつ多数の被験者を必要としている。そのため、これらの領域の疾患における代替エンドポイントの使用については、欧米でも議論が進んでいるところである。こうした状況を踏まえ、本ガイドラインは、新たに開発される薬剤の承認審査がさらに適切かつ迅速に行えるように、治療薬の臨床評価ガイドラインとして策定された。これまで血清クレアチニン値が代替エンドポイントとして使用されてきたが、米国では大規模コホート研究に基づき推定糸球体濾過量(eGFR)の変化率が提唱されている。今回、日本人CKD患者にも同様の代替エンドポイントの導入を検討するため日本人のコホートデータを利用・解析して、国際基準との検証を行った。その結果、eGFRの変化率が日本人においても同様に有効である可能性が示された。また、eGFRのほかアルブミン尿・蛋白尿の低下についても検証したが、現時点で一般的に使用するためのエビデンスは十分ではないとしている。
(注)本ガイドラインの具体的な内容については、直接ガイドライン本体で確認されることをお勧めいたします。