日本循環器学会は、関連14学会と合同で「慢性虚血性心疾患の診断と病態把握のための検査法の選択基準に関するガイドライン(2010年改訂版)」に「心臓核医学検査ガイドライン(2010年改訂版)」および「冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン」(2009年発行)を統合する形で大幅な改訂を行い、2019年3月、「慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)」として日本循環器学会ホームページ上で公開した。
循環器疾患の診断と病態評価のための検査法の進歩はめざましい。「慢性虚血性心疾患の診断と病態把握のための検査法の選択基準に関するガイドライン」は、多種多様な冠動脈疾患の検査法を概括し、その時点での各検査法の位置づけを行う目的で、1999年に初版が刊行された。その後、新たな検査法の進歩を取り入れて部分改訂されたが、今般、この領域のほか「心臓核医学検査ガイドライン(2010年改訂版)」および「冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン」(2009年発行)をとりまとめての大幅な改訂を行った。改訂版の構成は、前版までと同様「慢性冠動脈疾患の診断における各種検査法の意義」(第1章)と「慢性冠動脈疾患の病態と診断目的に基づいた検査計画法」(第3章)に加え、新たに第2章に慢性冠動脈疾患の「リスク評価と管理」を追加した。なお、同時期に急性期のガイドラインが作成されたため、急性心筋梗塞と不安定狭心症については本ガイドラインからは一部を除外した。本ガイドラインは、臨床医が慢性冠動脈疾患を診断し、その病態評価を行い、治療方針を立て、治療効果を判定し、患者を管理していくうえで役立つように作成されたものである。
(注)本ガイドラインの具体的な内容については、直接ガイドライン本体で確認されることをお勧めいたします。