日本臨床腫瘍学会、日本癌治療学会、日本癌学会は合同で「次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づくがん診療ガイダンス改定 第2.0版」(2020年3月作成)の修正を行い、2020年5月、「次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づくがん診療ガイダンス改定 第2.1版」として、それぞれの学会ホームページ上で公開した。
初版発行後、2018年12月には国内で2種類の遺伝子パネル検査が薬事承認され、2019年6月にはがん遺伝子パネル検査が保険収載されるなど、2019年は日本における「がんゲノム医療元年」と位置付けられ、個別化がん治療は大きく進歩している。一方で、地方病院の未整備や人材育成の点など、がんゲノム医療の国内実装は十分とは言い難い。初版発行後に本ガイダンスのもとで、遺伝子パネル検査の承認に向けた臨床試験やゲノム情報の紐づいたレジストリー研究等が精力的に進められ、日本におけるがんゲノム医療の基盤をなすさまざまな基礎的検討が適切な品質管理のもとでなされてきた。こうしたことを鑑み、現時点での最も適切な診療を行うためのガイドライン作成が肝要であるとの判断から、短期間での改訂を行うこととなった。2.0版では、遺伝子パネル検査が保険医療で実施されている国内の現状とがんゲノム医療の将来展望を踏まえて、遺伝子パネル検査やがんゲノム医療の現状でのエビデンスレベルと推奨度を定義し、治療効果に関するエビデンスレベル分類や薬剤への到達性の指標等に関して、欧米の分類との整合性を考慮し、かつ国内の状況にも配慮した見直しを加えて改訂が行われた。2.1版の修正はPMIDや文献番号の訂正・追加等のみである。
(注)本ガイダンスの具体的な内容については、直接ガイダンス本体で確認されることをお勧めいたします。