日本循環器学会と日本不整脈心電学会は、日本心臓病学会と合同で、「心臓突然死の予知と予防法のガイドライン(2010年)」「失神の診断・治療ガイドライン(2012年」「臨床心臓電気生理検査に関するガイドライン(2011年)」「心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年)」「遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン(2017年改訂版)」を統合改訂する形で、「2022年改訂版 不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン」を作成し、2022年3月、日本循環器学会ホームページ上で公開した。
循環器各分野では、これまで多数の診療ガイドラインが公表されていたものの、多くは重複記述が多く、各分野でコンパクトにかつ複数のガイドラインをまとめて改訂することがガイドラインの活用に有効と考えられる。不整脈分野についても同様であり、今回、診断と治療(薬物療法、非薬物療法)の大きく3つにまとめられる方針となった。本ガイドラインは、このうち「診断」を担うものと位置付けられ、「心臓突然死の予知と予防法のガイドライン(2010年)」の改訂を中心として、「失神の診断・治療ガイドライン(2012年」「臨床心臓電気生理検査に関するガイドライン(2011年)」「心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年)」が統合されている。また、「遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン(2017年改訂版)」の診断に関しても一部アップデートして、現在の遺伝学的検査の保険適用の状況と考え方などについて記載した。これにより、本ガイドラインは、不整脈診断を適切に行うための総合的な手引きとなり、心臓突然死などの不整脈リスクの評価の指針となることが期待される。
(注)本ガイドラインの具体的な内容については、直接ガイドライン本体で確認されることをお勧めいたします。