日本胃癌学会は、「胃癌治療ガイドライン 医師用 2018年1月改訂
第5版」の改訂を行い、2021年7月、「胃癌治療ガイドライン 医師用 2021年7月改訂
第6版」として刊行した(書籍版のみ。金原出版より刊行)。
本ガイドラインは2001年の初版以来胃癌治療の進歩に伴い改訂が重ねられており、今回は標準的な治療についての教科書形式の解説(「治療法」)と、臨床的に重要なクリニカルクエスチョン(CQ)に対する推奨文・解説の両方を記載する第5版の構成を踏襲した。本版では、初版の基本理念を保ちつつ、エビデンスに基づいた治療をさらに推し進めるために、Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017を参考とした作成方法を採用した。主な改訂点は以下のとおりである。1.
外科治療、内視鏡治療、化学療法、緩和的治療に関するCQを32項目に増やした、2.
日本胃癌学会と日本食道学会の実施した前向き研究結果に基づき、cT2-T4の食道胃接合部癌に対する手術アプローチとリンパ節郭清のアルゴリズムを示した。また食道胃接合部癌に関する3つのCQを作成し推奨を示した、3.
腹腔鏡下手術およびロボット支援下手術について、最新の研究状況を踏まえた推奨を示した、4.
切除不能進行・再発胃癌に対する化学療法のレジメンは、「推奨されるレジメン」、「条件付きで推奨されるレジメン」として、「治療法」の章のアルゴリズムに列記した。治療選択肢は増す一方、個々のレジメンを比較したエビデンスは十分でないため、優先順位はつけずエビデンスレベルも記載しなかった、5.
免疫チェックポイント阻害剤の最新の研究成果をCQにて解説した。
(注)本ガイドラインの具体的な内容については、直接ガイドライン本体で確認されることをお勧めいたします。