日本高血圧学会は、「⾼⾎圧治療ガイドライン2014」の改訂を行い、2019年4月、「⾼⾎圧治療ガイドライン2019」として刊行した(書籍版のみ。ライフサイエンス出版より刊行。概要・CQ構造化資料は日本高血圧学会ホームページ上で閲覧可)。また、2019年10月に「高血圧治療ガイドライン 2019 ダイジェスト」を刊行した(書籍版のみ。ライフサイエンス出版から刊行)。
本ガイドラインは、2000年の初版発行から約5年ごとに改訂を行っており、今回が第5版となる。従来の教科書的な記述に加え、より実践的な情報を盛り込んだQ&Aスタイルを一部採用、Minds 2014に基づいてシステマティックレビューによりエビデンスを統合し、最新の診断・治療法についての推奨文を提示している。こうしたエビデンスの評価によって、降圧目標値がこれまでのガイドラインより低く設定され、早い段階でより積極的に高血圧の発症や悪化の抑制を目指す方向となっている。また、併存疾患や高齢など個人の状況を勘案・配慮し、目標血圧値達成に向けて多くの方策を示すことで、実臨床での対応を図っていることや、家庭血圧測定をこれまで以上に重視していることも、本ガイドラインの特徴のひとつである。
また、2019年10月には、本ガイドラインの骨子をまとめ、重要な図表をもれなく掲載した、実地医家向けのダイジェスト版が発行された。簡便で患者教育にも使いやすいものであり、本ガイドラインの普及に役立つものと期待される。
(注)本ガイドラインの具体的な内容については、直接ガイドライン本体で確認されることをお勧めいたします。