日本集中治療医学会は、「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」の補遺の位置付けとして、2017年10月、「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン:病態別栄養療法」を作成し、日本集中治療医学会ホームページ上で公開した。
日本集中治療医学会は、総論的なクリニカルクエスチョン(CQ)とその推奨で構成した「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」を2016年3月に発刊した。しかし、重症患者では臓器障害や病前合併症の状況に応じて特殊な急性期栄養療法を要する場合も少なくないため、これらの個々の状況における栄養療法を行う際の臨床的補助となることを目的として、病態別のCQの立案とその推奨の作成を行い、2017年10月に、「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン:病態別栄養療法」を作成した。本ガイドラインで対象とした特殊病態は以下のいずれかの条件に合致する。①国際ガイドラインでは言及されない治療が本邦で行われている病態(急性膵炎、中枢神経障害)、②国際ガイドラインで言及されている治療が本邦では一般的に行われていない病態(呼吸不全、急性腎障害、急性膵炎)、③国際ガイドラインで対象とされている患者群が本邦の一般的な患者群とは異なる病態(高度肥満)、④一般的な栄養療法を適応できない病態(肝不全)、⑤本邦の臨床現場で栄養療法の理解に混乱が見られる病態(呼吸不全、急性膵炎)。上記より、本ガイドラインには、呼吸不全、急性腎障害、肝不全、急性膵炎、中枢神経障害、高度肥満の6病態を取り上げ、本邦の臨床に適応したCQを立案して推奨を策定した。
(注)本ガイドラインの具体的な内容については、直接ガイドライン本体で確認されることをお勧めいたします。