日本化学療法学会および日本感染症学会は、2018年10月、「Clostridioides(Clostridium) difficile感染症診療ガイドライン」を共同で刊行した(書籍版のみ。学会にて購入可)。また、併せて、日本化学療法学会雑誌および感染症学雑誌誌上に本ガイドラインの一部(フローチャートとクリニカルクエスチョン部分)を同年11月に掲載した。
Clostridium difficileが医療関連感染の原因微生物として重要であることはいうまでもなく、2017年12月に初のClostridium difficile infection(CDI)再発抑制薬が、また2018年10月には新しいCDI治療薬が上市されたこともあり、感染症・化学療法の領域では注目されている。欧米では既にCDI診療ガイドラインが発表されており、日本においても診療ガイドラインの作成が望まれていた。こうした背景から、日本化学療法学会と日本感染症学会は、「CDI診療ガイドライン作成委員会」を合同で運営し、ガイドラインを作成することになった。CDIに関しては世界的に認められた重症度基準や再発定義がないなどガイドライン作成にあたって障壁も多くあったが、まずは日本版CDI診療ガイドラインを作成しようという作成委員の強い意志により、2017年の委員会立ち上げからきわめて短期間でまとめ上げた。したがって、メタ解析などが十分であるとはいえない、感染対策の項目が不十分であるなど問題も多く残されており、今後新しいエビデンスに基づいて解決すべき課題となっている。
(注)本ガイドラインの具体的な内容については、直接ガイドライン本体で確認されることをお勧めいたします。