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CD30は、細胞の増殖、生存、死滅に重要な役割を果たす腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(Tumor necrosis factor receptor superfamily)に属する膜貫通糖タンパク質です。
CD30の発現は、健常人では、活性化リンパ球で認められます1)。また、EBV、HCV、HIVやHTLV-1などのウイルスに感染した細胞にも発現が認められます。造血器腫瘍では、ホジキンリンパ腫(Hodgkin lymphoma:HL)や未分化大細胞リンパ腫(Anaplastic large cell lymphoma:ALCL)において強く発現しているほか、ALCL以外の末梢性T細胞リンパ腫(Peripheral T-cell lymphoma:PTCL)やびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(Diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)、菌状息肉症(Mycosis fungoides:MF)などのリンパ増殖性疾患にも発現しています。
ブレンツキシマブ ベドチンは、細胞表面マーカーCD30を標的とする抗体薬物複合体です。本剤はCD30を発現する腫瘍細胞に対して選択的にアポトーシスを誘導することにより、腫瘍増殖抑制作用を示します。
これらの薬理作用に基づき、国内では2014年1月に成人患者における「再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫」、2018年9月に成人患者における「未治療のCD30陽性のホジキンリンパ腫」に対してAVD(ドキソルビシン塩酸塩、ビンブラスチン硫酸塩及びダカルバジン)併用療法の製造販売承認を取得しています。最近の報告では、CD30陽性のPTCLにおけるブレンツキシマブ ベドチンの有効性が示されました2)3)。しかしALCL以外のPTCLはCD30発現に大きなばらつきがあります4)5)6)。PTCLの初回診断検査にCD30発現量の評価を含めることが推奨されています7)8)。
再発又は難治性のCD30陽性*のT細胞リンパ腫患者を対象としたブレンツキシマブ ベドチンの有効性と安全性を評価した海外第Ⅱ相非盲検試験(SGN35-012試験)では、CD30に関連する知見が確認されました。CD30の発現割合と抗腫瘍効果の相関を検討したところ、両者に相関は認められませんでした(図1)3)。抗体療法の場合は標的細胞に目的とする分子の発現を確認する必要があります。腫瘍細胞のcell lineageの決定や亜型の推測にフローサイトメーターを用いた表面マーカー検索は必須ですが、腫瘍細胞によっては、フローサイトメーターでは検出できないことがあります。おそらくは腫瘍細胞の絶対数が少ないため、または腫瘍細胞があまりに大きく、脆弱性を有するもしくは細胞単離できないなどと推測されています1)。したがって、CD30が腫瘍細胞に実際に発現しているかどうかの判定には免疫組織化学染色法が最適な手段となります。次に、実際のCD30発現の病理像を示します。
*本試験でのCD30陽性の確認は免疫組織化学染色法で実施され、CD30陽性の腫瘍細胞が確認されれば陽性と判断されている。未治療のCD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫を対象に実施した国際共同第Ⅲ相ランダム化二重盲検試験(ECHELON-2試験)におけるCD30陽性の基準は腫瘍細胞の10%以上であった。
※CD30の測定はダコ社のAutostainer/Autostainer Plus(FLEX Monoclonal Mouse Anti-Human CD30、Clone Ber-H2)を使って測定しています。 染色性はロッシュ社のベンタナ OptiView CD30(Ber-H2)と非劣性が確認されています。
生検全体における「①CD30発現の状況」、「②染色強度」、「③染色パターン」を確認します。
① CD30発現の状況
② 染色強度
CD30発現の割合が高いほど、大細胞腫瘍の割合が高くなります。 大細胞腫瘍は、小細胞腫瘍よりも 強い染色強度を示します 4) 。
③ 染色パターン
リンパ腫か否かの判断や、リンパ腫の病型診断が困難な場合があります。臨床像と病理診断が合致しないこともあります。このような場合はリンパ腫を専門とする血液病理医へのコンサルテーションへの検討も考えられます。
久留米大学医学部においてML-NET*を用いてCD30発現を診断する際は、(PTCL)CD30+(〇〇%)(>0%が陽性となります)とレポートします。
*ML-NET:株式会社エスアールエルの悪性リンパ腫総合解析検査。検査の詳細は実施会社にお問い合わせ下さい。
参考文献