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会員限定 病理診断「成人T細胞白血病/リンパ腫」

成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)1)2)

成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL:adult T-cell leukemia/lymphoma)は、HTLV-1(human T-cell leukemia virus type-I)の感染により引き起こされる末梢性T細胞リンパ腫です。
流行地域は、西南日本に多発し、海外では、中央アフリカ及び中南米出身者に比較的高頻度に発生しています。感染経路として輸血、性交、母乳が知られています。また、ATLL発症は20代までは極めて稀で、その後増加し、70歳頃をピークにして以降徐々に減少します3)
診断にはリンパ球中のHTLV-1プロウイルスDNAのモノクローナルバンドの証明(サザンブロット法)をすることが妥当と報告されています4)
臨床病変:
症状は皮膚症状、リンパ節腫脹、肝腫、脾腫、骨の溶解などによる高カルシウム血症などがあります5)。白血球数は正常から数十万/μLまで増加します。ATLLの病型には急性型、慢性型、くすぶり型、リンパ腫型の4型があり、進展はクローンの選択性により、多クローン性のものが単クローン性になったとして捉えられています。

形態学的考察

リンパ節構造は失われ、びまん性に異型リンパ球が浸潤増殖しています。中等大の核をもつものから大型のものが交じり合って見られることが多いですが、小型細胞も介在します。これらの細胞はその大きさに関係なく核異型が強く、深い切り込みのある不規則な核型を示します。
その他に、
・切れ込みが強く脳回様あるいは高度に分葉した核を有するもの
・Reed-Sternberg様の形態を示す巨細胞
・稀に未分化大細胞リンパ腫と同様の組織像及びCD30陽性(ALK陰性)を示す例
 (ALCL-like ATLL)
・小細胞型リンパ腫と同様の組織型を示す例
・ホジキンリンパ腫と同様にHodgkin-Reed-Sternberg巨細胞と、背景にリンパ球、
 組織球、形質細胞、好酸球が混在するもの(Hodgkin-like ATLL)
・血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)類似の形態をとる例
がみられます。

ATLL組織像(典型例)1)

リンパ節で、びまん性に異型リンパ球が浸潤増殖します。増殖細胞は大小不同が強く、中央に脳回様に高度に分葉した核を有した巨細胞がみられる典型的なリンパ腫型の組織像です。

ATLL組織像(未分化大細胞リンパ腫と同様の組織像)1)

非常に大型の異型リンパ球が接着性をもち増殖しており、未分化大細胞リンパ腫と同様の組織像を示します。

ATLL組織像(小細胞型リンパ腫と同様の組織像)1)

小細胞型リンパ腫と同様の組織像を示します。

ATLL組織像(血管免疫芽球性T細胞リンパ腫と同様の組織像)1)

血管増生が目立ち、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)類似の形態をとります。

免疫学的表現型

ATLL細胞の典型的な表面マーカー;成熟T細胞
(ヘルパー/インデューサーT細胞)の表現系
CD2陽性CD3陽性CD4陽性CD8陰性
CD5陽性CD25陽性HLA-DR陽性

稀にCD4陰性CD8陰性、CD4陽性CD8陽性、CD4陰性CD8陽性を示すものが認められます。

CD3抗原の減弱がみられる症例もあります。

大細胞の一部に CD30陽性(ALCL-like ATLL、ALK陰性)

細胞傷害性分子 granzyme B陰性TIA1陰性

regulatory T-cellのマーカー FocP3陽性
CD4陽性CD25陽性Foxp3陽性のregulatory T-cellが発生起源細胞とされています6)

ケモカイン受容体 CCR4陽性7)

染色体異常、遺伝子異常

HTLV-IプロウイルスDNAのモノクローナルな組み込み、T細胞受容体(TCR)遺伝子の再構成が認められます。
染色体は複雑な核型を呈しますが、特徴的な核型、遺伝子異常は明らかではありません8)

参考文献

  • 1)中村栄男、飯田真介、大島孝一、木下朝博、吉野正(編). WHO血液腫瘍分類―WHO分類2017をうまく活用するために. リンパ系腫瘍. 2018. 医薬ジャーナル社. 315-320.
  • 2)中村栄男、大島孝一、竹内賢吾、田丸淳一、中村直哉、吉野正(編). リンパ腫アトラス 第5版. 2018. 文光堂. 211-214.
  • 3)日本血液学会(編). 造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版. 金原出版. 273-286.
  • 4)Takatsuki K. Gan To Kagaku Ryoho. 1987; 14(6 Pt 1): 1763-1771.
  • 5)Watanabe T, et al. J Exp Med. 1990; 172(3): 759-765.
  • 6)Karube K, et al. Br J Haematol. 2004; 126(1): 81-84.
  • 7)Ishida T, et al. Clin Cancer Res. 2003; 9(10 Pt 1): 3625-3634.
  • 8)木崎昌弘、田丸淳一(編). WHO分類改訂第4版による白血病・リンパ系腫瘍の病態学. 2019. 中外医薬社. 405-411.

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