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会員限定 病理診断「血管免疫芽球性T細胞リンパ腫」

血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)1)2)

血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL:angioimmunoblastic T-cell lymphoma)は、多彩な細胞浸潤を示し、高内皮細静脈(HEV:high endothelial venule)及び、濾胞樹状細胞(FDC:follicular dendritic cell)の著明な増生を伴い、全身のリンパ節を侵します。腫瘍細胞は、濾胞性ヘルパーT細胞(TFH:follicular helper T-cell)細胞様の形質をもつ腫瘍です。
発生頻度は、中高年に発生し男性に多く、わが国では、全悪性リンパ腫の2~3%、末梢性NK/T細胞リンパ腫のおよそ10%とされています。
病変部位は、ほとんどの患者さんで全身のリンパ節の腫れがみられますが、肝臓・脾臓の腫れ、皮疹、発熱など、さまざまな症状があらわれることがあります。

形態学的考察

リンパ節構造は破壊され、HEVの著明な樹枝状増生を伴う異型リンパ球のびまん性細胞増生が認められます。これにBリンパ球やB免疫芽球、形質細胞、好酸球、組織球、類上皮細胞などが混在しています。FDCがHEV周囲などに不規則な増殖を伴うことも診断基準の1つとなります。
腫瘍細胞では、淡明細胞(clear cell)の出現が特徴的です。淡明細胞の出現パターンは、孤立散在性〜びまん性とさまざまですが、数個から十数個程度の集塊を形成することが多いです。

AITLの組織パターンは反応性濾胞の存在から3つに分けられます。

パターンⅠ稀なパターンで、胚中心が過形成を呈する初期状態。反応性濾胞過形成との鑑別が難しく、診断には免疫組織化学を必要とする。
パターンⅡ胚中心が萎縮性となり、FDCがHEV周囲など濾胞外でも増殖する状態。
パターンⅢリンパ濾胞が消失し腫瘍細胞がびまん性に増殖する状態。

血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(弱拡大)

リンパ節の構造は破壊され、HEVの著明な樹枝状増生を伴う異型リンパ球のびまん性増殖が認められます。明るくみえる部分は腫瘍性の淡明細胞の増殖よりなり、やや暗くみえる部分は反応性の形質細胞や好酸球、組織球が浸潤しています。

血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(強拡大)

壁が肥厚し内皮細胞の腫大したHEVとその周囲に淡明細胞の増殖がみられ、形質細胞や好酸球、組織球及び不明瞭なFDCも混合しています。淡明細胞には集塊を形成する傾向がうかがわれます。

免疫学的表現型

T細胞系マーカー
CD2陽性CD3陽性CD5陽性CD45RO陽性
CD30陽性(一部)
種々の程度で発現しています。

CD4陽性、CD8陽性について混在しますが、一般には、CD4陽性のものが優勢です。

細胞傷害性分子
granzyme B陰性TIA1陰性

細胞傷害分子関連マーカーのCD56(NK細胞マーカー)は陰性です。

TFHマーカー
CD10陽性BCL6陽性CXCL13陽性PD1陽性

FDCの増殖巣はCD21陽性、CD35陽性、CNA.42陽性などの免疫染色により明瞭となります。

EBV陽性細胞が80〜90%検出されます。

染色体異常、遺伝子異常

染色体解析では、トリソミー3、5、及びXなどの数的異常が主体です。


T細胞受容体遺伝子(TCR:T-cell receptor gene)の再構成は、75〜95%の症例に確認され、同時に免疫グロブリン遺伝子の再構成も約25〜30%の症例に確認されます。

参考文献

  • 1)中村栄男、飯田真介、大島孝一、木下朝博、吉野正(編). WHO血液腫瘍分類―WHO分類2017をうまく活用するために. リンパ系腫瘍. 2018. 医薬ジャーナル社. 356-358.
  • 2)中村栄男、大島孝一、竹内賢吾、田丸淳一、中村直哉、吉野正(編). リンパ腫アトラス 第5版. 2018. 文光堂. 251-257.

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