ログイン・会員登録

会員の方

ID・パスワードをお持ちの方は、
こちらからログインください。

パスワードをお忘れの方はこちら

認証キーの承認をされる方はこちら

2016年1月より会員IDがメールアドレスに統一されました。

会員登録されていない方

会員限定コンテンツのご利用には、会員登録が必要です。

新規会員登録

サイトマップお問合わせ

  • 新規会員登録
  • ログイン

会員限定 病理診断「マントル細胞リンパ腫」

マントル細胞リンパ腫(MCL)1)2)3)

マントル細胞リンパ腫(MCL:mantle cell lymphoma)は、不正な核を持つ単調な小型~中型のリンパ球により構成されている成熟B細胞性腫瘍です。
95%以上の症例でCCND1遺伝子が再構成されています。マントル細胞リンパ腫の発生部位は、リンパ節が最も多いですが、脾臓や骨髄にも認められます。また、消化管やワルダイエル輪、肺、胸膜などの節外臓器にも認められます。発症頻度は、全悪性リンパ腫の3%程度です。

形態学的考察

正常リンパ濾胞マントル帯(暗殻)に存在する小型~中型B細胞由来と考えられる腫瘍です。腫瘍細胞は一般に細胞質に乏しく、核は細長く、切れ込みが目立ち、centrocyte類似の小型~中型細胞からなります。
古典的MCLでは不明瞭な結節状、びまん性、マントル帯性、まれに濾胞性パターンを示す単調なリンパ球増生が認められます。
centroblast、immunoblast、paraimmunoblastは認められません。

マントル細胞リンパ腫

a:切れ込み等、軽度の多形性を示す小型から中型核を有する細胞が単調に増生しています。
b:マントルゾーンパターンを示します。

マントル細胞リンパ腫の形態的亜型

CCND1 免疫染色(核に陽性)。

免疫学的表現型

CD5陽性CD19陽性CD20陽性CD43陽性
CD79a陽性CCND1(BCL1)陽性SOX11陽性
BCL2陽性FMC7陽性
CD2陰性CD3陰性
CD10陰性CD23陰性BCL6陰性

CD5発現の有無はホルマリン固定パラフィン切片での免疫染色では偽陰性が少なくないので、フローサイトメトリーを参考にします。

染色体異常、遺伝子異常

t(11;14)(q13;32)が95%以上の症例で検出されます。この染色体転座は本疾患特異性が高いことが知られ、大部分の症例で認められます。

参考文献

  • 1)中村栄男、飯田真介、大島孝一、木下朝博、吉野正(編). WHO血液腫瘍分類―WHO分類2017をうまく活用するために. リンパ系腫瘍. 2018. 医薬ジャーナル社. 258-262.
  • 2)中村栄男、大島孝一、竹内賢吾、田丸淳一、中村直哉、吉野正(著). リンパ腫アトラス 第5版. 2018. 文光堂. 136-140.
  • 3)日本リンパ網内系学会(編). リンパ腫セミナー 本から学べるWHO分類改訂第4版(2017年). 2018. 南江堂. 52-63.

リンパ腫ノートINDEXへ戻る