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監修:埼友草加病院 院長 大澤 勲先生
遺伝性血管性浮腫(HAE)では、局所性浮腫が全身のあらゆる部位に生じます(図1)。
皮膚の場合は、顔面や唇、手足、腕、脚などに浮腫が起こります。
消化管の浮腫が生じると、悪心、嘔吐、下痢などとともに激烈な腹痛が起こります。
⇒詳細は、鑑別診断(腹痛・喉頭浮腫)へ
喉頭に浮腫を生じると、呼吸困難や窒息をきたします。通常、これらの発作は数時間から数日で消失します。
浮腫の出現場所は、皮膚、腹部、喉頭の順に多いとされます。ドイツにおいて、HAE患者さん221例で起きた総計131,110件の浮腫エピソードを検討した結果がBorkらにより報告されています1)。皮膚の浮腫は、131,110件のうち65,102件(49.7%)であり、皮膚の浮腫のうち四肢の浮腫(手、腕、足、下腿、大腿)が59,095件と90%以上を占め、顔面の浮腫は2,134件でした。腹部の浮腫は131,110件中62,503件(47.7%)と皮膚の浮腫に続いて多く、喉頭浮腫は131,110件中1,229件(0.9%)発現しました。なお、顔面浮腫を起こした158例中50例(31.6%)が喉頭浮腫に進展したと報告されています。
喉頭浮腫は頻度としては低いものの致死率が高いといわれています。90年代のイタリアにおけるHAE家系の調査報告では、HAEの典型的な症状があって喉頭浮腫で死亡した親戚が家系内に30%存在したとされています2)。ただし、HAEと確定診断された以降は、死亡例はいなかったとされています。HAE患者さんの約半分が生涯のうちに喉頭浮腫をきたす可能性があるというドイツの報告3)もあり、注意が必要です。
HAEの初発時期は10〜20歳代です。ドイツの報告3)では、皮膚の浮腫は平均15.4歳、腹痛発作は平均16.2歳、喉頭浮腫は平均26.2歳で初発していました(図2)。あらゆる年齢で発症する可能性はありますが、40歳以上での発症はまれです。
発作の頻度は患者さんによって大きく異なります。日本の171名のHAE患者さんの調査では、21.2%の患者さんが1年間に1日以上の入院をしており、そのうち5%以上が10日以上の入院を余儀なくされています(図3)4)。また、28.7%の患者さんに1年間に1日以上の欠席もしくは欠勤があり、そのうち11.5%は5日以上でした。
発作は精神的ストレス、過労などの肉体的ストレス、外傷や抜歯、妊娠、生理、薬物などで誘発されます5)。エストロゲン含有経口避妊薬およびホルモン補充療法、ACE阻害薬の使用は、HAE発作の頻度を増加させ、発作を引き起こしやすくする可能性があります6)。ACE阻害薬については血管性浮腫に対して禁忌とされています。
発作は通常24 時間で最大となり数日で自然に跡形もなく消えます6)。腹部発作は平均4日間で、そのピークは2日目に多いとされています7)。
腫脹前に前駆徴候または症状が現れます。前駆症状として出現する環状紅斑は小児の患者さんに多く、
症例の42〜58%で観察され、しばしば蕁麻疹と間違われます6)。
腹部発作の70%では、疲労感、聴覚過敏、飢餓感などの前駆症状を伴うことが報告されています7)。