IBD ステーション潰瘍性大腸炎・クローン病
指定難病と医療費助成制度制度の概念
2015年1月1日から「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が施行され、一定の要件を満たす疾病については、医療費助成の対象として指定することとされています1)。指定難病は、難病のうち以下の要件を満たすものについて厚生科学審議会が審議を行い、厚生労働大臣が指定します1)(図)。
○患者数が本邦において一定の人数※に達しないこと
○客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が確立していること
この法律により、潰瘍性大腸炎とクローン病の患者は、所得に応じて決められた自己負担額を上回った医療費が助成されます2)~4)。ただし、医療費助成が受けられるのは一定以上の重症度を有する患者または一定以上の医療費がかかっている場合に限られ、軽症者については特例を除き対象外となっています4)。
※人口のおおむね千分の一(0.1%)程度に相当する数と厚生労働省令において規定している1)。
図:難病と指定難病
厚生労働省 健康局 難病対策課:難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号)の概要
(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000128881.pdf)より一部改変
引用資料
1) 厚生労働省 健康局 難病対策課:難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号)の概要
(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000128881.pdf)
2) NPO法人 日本炎症性腸疾患協会(CCFJ)編:潰瘍性大腸炎の診療ガイド 第3版, 文光堂, 東京, pp.90-97, 2016
3) NPO法人 日本炎症性腸疾患協会(CCFJ)編:クローン病の診療ガイド 第2版, 文光堂, 東京, pp.112-117, 2016
4) 横山純二ほか:医学のあゆみ, 256(10):1112-1117, 2016
【監修】国立大学法人東京医科歯科大学 消化器内科 特任准教授 長堀 正和 先生