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IBD ステーション潰瘍性大腸炎・クローン病

クローン病治療(肛門病変の治療)

肛門病変のうち、潰瘍性病変には腸病変に準じた内科的治療を行います1)。難治性で再発を繰り返す痔瘻・膿瘍は外科的治療の対象となり、症状の軽減と肛門機能の保持を治療の目標とします1)、2))。

表:クローン病肛門部病変に対する治療指針(2016年1月改訂)

病態別治療指針

1. 痔瘻・膿瘍

軽症例(日常生活に支障のない程度の自覚症状)に対しては、切開排膿とともにメトロニダゾールや抗菌剤(ニューキノロン系、セフェム系など)を投与する。

中等症(持続性の疼痛、排膿)以上の症状がある場合には、seton法によるドレナージを第1選択とする。
下部大腸に活動性病変がなく単純な痔瘻であれば、痔瘻根治術も選択肢の一つとなるが、術後創治癒に時間がかかること、および再発率の高いことを考慮して適応を決定する。

複雑多発例や再発を繰り返す場合には、痔瘻根治術の適応は控え、seton法ドレナージを継続する。

薬物治療(免疫調節薬、生物学的製剤)を導入する場合は、ドレナージによって局所の感染巣を制御した後に開始する。

日常生活を制限する程の高度症状(重症例)を諸治療によっても制御できない場合には人工肛門造設術を考慮する。

※ 現在保険適応には含まれていない。

2. 直腸(肛門管)-
 膣瘻

効果的な内科的治療法はなく、膣からの便・ガスの排出が多い場合には外科治療を考慮する。局所的には経肛門的あるいは経膣的にadvancement flap法を行うが、人工肛門の併用を必要とする。

3. 裂肛・肛門潰瘍

中等度以上の症状があれば、併存する痔瘻・膿瘍の外科的処置に加えて、腸病変に準じて内科的治療を選択する。

4. 皮垂

腫脹、緊満、疼痛により排便にも支障を来たす場合には、外科治療を考慮してもよい。痔瘻を誘発することもあり、切除範囲は最小限にとどめる。

5. 肛門部狭窄

肛門狭窄と直腸肛門狭窄を見極めて治療法を選択する。肛門狭窄(肛門管に限局した輪状狭窄)に対してはブジーを用いた拡張あるいは経肛門的拡張術の適応となる。

下部直腸病変に関連した直腸肛門狭窄については、拡張術の効果は乏しく日常生活が困難な場合には人工肛門造設も考慮する。

6. 補足

重症度の評価には、自覚症状に客観的所見も加味されたPDAI(Perianal Crohn's Disease Activity Index)も参考にする。ただし、Sexual activityの評価が難しい場合には、社会生活評価項目(Social activity)に代えて、概ね5点を目途に外科医、肛門科医と外科治療について協議する。

生物学的製剤の使用に際しては、短期的な有用性は示されているが、長期的な効果についてはevidenceが十分でなく、直腸肛門狭窄にも留意する。

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴木班)平成28年度分担研究報告書 別冊:
潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 平成28年度 改訂版より引用改変

引用資料

1) NPO法人 日本炎症性腸疾患協会(CCFJ)編:クローン病の診療ガイド 第2版, 文光堂, 東京, pp.64-75, 2016

2) 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴木班)平成28年度分担研究報告書 別冊:潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 平成28年度 改訂版

【監修】国立大学法人東京医科歯科大学 消化器内科 特任准教授 長堀 正和 先生