IBD ステーション潰瘍性大腸炎・クローン病
クローン病症状
クローン病(CD)の主症状は下痢と腹痛です1)、2)。ときに虫垂炎に類似の症状、腸閉塞、腸穿孔、大出血で発症します3)。また、腹部症状を欠き、肛門病変や発熱で発症することもあります3)。特に10歳代で痔瘻を生じる場合にはCDの肛門病変であることが多く、肛門病変は診断の契機として重要な症状です2)。
腸管外合併症として貧血、末梢関節炎、強直性脊椎炎、口腔内アフタ、皮膚症状(結節性紅斑、壊疽性膿皮症など)、虹彩炎、成長障害などがあります3)。
CDは再燃、寛解を繰り返しながら長期間にわたって進行性に経過する疾患です4)。病初期では消化管の炎症が主体ですが、再燃を繰り返す経過中に腸管狭窄や瘻孔、膿瘍をきたし、手術適応となる場合が多いです5)。
引用資料
1) 名川弘一編:「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班 2006年度プロジェクト研究報告書, pp.203-218, 2007
2) 日比紀文監修:チーム医療につなげる! IBD診療ビジュアルテキスト, 羊土社, 東京, pp.34-72, 2016
3) 難病情報センターホームページ(https://www.nanbyou.or.jp/entry/219)(2020年10月現在)から引用
4) 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴木班)令和元年度分担研究報告書 別冊:潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 令和元年度 改訂版
5) NPO法人 日本炎症性腸疾患協会(CCFJ)編:クローン病の診療ガイド 第2版, 文光堂, 東京, pp.98-105, 2016
【監修】国立大学法人東京医科歯科大学 消化器内科 准教授 長堀 正和 先生