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循環器いろは

循環器いろは

「ニモカカワラズ」を変える!Hypertensiton Paradoxへの挑戦

vol.25No.6

患者さんも治療に興味を持っている…
ニモカカワラズ

勝谷 友宏先生
勝谷医院

連日、テレビや週刊誌などのメディアをとおして「高血圧」に関する情報が耳に入ってきます。高血圧患者さんにとっては非常に関心の高い情報かと思いますが、実際にはどのように響いているのでしょうか。
従来、高血圧は現在よりも若年患者が多く、また重篤な疾患でした。脳卒中などの死亡率も高く、まさに生きるか死ぬかという病であったわけです。ところが診断・治療が進歩した現代では、患者さんは死亡よりも後遺症による寝たきりなどの予防、すなわち健康寿命の延伸に関心を持たれています。そのためメディアによる情報も、昨今は健康長寿の観点を強調するものが増えてきました。その結果、減塩や「ロカボ(適正糖質)」などの食事や運動に挑戦してみたり、有名人が倒れたニュースを見て健康意識を新たにする患者さんも少なくありません。ご自身の健康寿命について関心を持っていただくきっかけとなるのは歓迎すべきことです。
一方で、血圧値や降圧薬そのものに関する情報が取り上げられたときは、こちらで言葉を補わなければならないこともあります。例えば近年とくに反響が大きかったのは、人間ドック学会の公表した血圧の「新基準範囲」がメディアで取り上げられた際です。「高血圧の基準が変わったのですか?」、「上が145mmHgでも治療を続ける必要はあるのですか?」といったご質問を何度か経験しました。
当時、高血圧学会が「世界も日本も、高血圧基準は140/90mmHgです」というメッセージを出したのも記憶に新しいところですね。このように患者さんが独自に入手した情報に基づく高血圧治療と、ガイドラインに基づいた高血圧治療が乖離している場合、患者さんにはどのようにご説明されるのでしょうか。
メディアによる情報に対し、学会が公式に見解を発表してもきちんと報じられるケースは少なく、なかなかそのメッセージは患者さんまで届かないのが現状です。私が患者さんによくお伝えしているのは、「スポンサーがつかない情報は出てこない」ということです。例えば雑誌の場合、いかに発行部数を伸ばすかという観点から話題が選択され、タイトルが付けられます。その結果、高血圧のような患者さんが多い疾患、降圧薬のようなたくさん飲まれている薬剤が、誰とも知れない「関係者」や恣意的に抜き出された論文の一部分によってセンセーショナルに取り上げられるのです。「なぜその雑誌を買ってしまったのですか?自分の薬が載っていて気になったからですよね。それが雑誌社の狙いなのです。あなたは、しっかり売り上げアップに貢献したということです。」と説明すると、ほぼ皆さん納得してくださることが多いです。
もちろん、こうしたメディアの商業的な側面について「薬を売る側も同じでは?」と考える方もおられます。その場合は、学会のガイドラインがどのようにして作られるかを説明しています。その領域の専門医だけではなく、他領域、他職種の先生、そして患者団体の方も参画し、パブリックコメントで寄せられた反対意見や質問のすべてに答えながら作成されるガイドラインに、利益相反に基づいた特定の意見が反映される余地はないことをお伝えしています。
実際に高血圧治療ガイドラインの策定に携わられた先生のお話ですから、非常に説得力がありますね。情報媒体ごとに患者さんに与える影響は異なるのでしょうか。
患者さんの年代ごとに情報の感度や情報源は大きく異なります。例えば高齢の方の情報源はテレビや新聞がほとんどですが、若年になるにつれネットの割合が増えていきます。患者さんがご自身で得られた情報をもとに話されている場合、どのような媒体、ソースを参照しているのかを必ず確認することがポイントです。また、医療者側はその発信元がどれくらい信頼できるかの物差しを各々で持っておく必要があります。
米国では、医療デマや根拠のない情報の流布は訴訟リスクとなることが一定の抑止力になっていますが、わが国はそのような環境にはなく、信頼性の低い情報であっても一度拡散してしまうとその勢いを止めることは困難です。学会が正しい情報の発信源としての役割を担うことはもちろんですが、行政とも連携しながら「医療に関する不確かな情報は、間接的に国民の健康を阻害している」という強いメッセージを発していく必要があります。
しかし、現状メディアに対して学会が純粋な発信力、拡散力や訴求力で対抗することは難しく、また診察室で一人ひとりの患者さんに情報提供をするにも限界があるかと思います。学会や医療者には、どのような取り組みが求められるのでしょうか。
学会の重要な役割は「啓発」であると考えています。生活習慣や健康に関して、教育の現場や企業で正しい情報提供をおこなうことで、町ぐるみ、地域ぐるみの取り組みに繋げることができます。尼崎では内科医会を中心とした適塩化運動をとおして町ぐるみの減塩運動、例えば小学校での講演活動や減塩給食の普及に取り組んでいます。また、2017年に第2回の開催となった尼崎市適塩化フォーラムでは、一般企業にもご参画いただいて「健康経営」、つまり企業が従業員の健康管理に経営的な視点から配慮することについて考えました。80、90歳になってから生活スタイルを変えろというのは難しく、大変酷な話ですから、若年のうちからの教育が必要なのです。例えば喫煙が健康に悪いことは小学1年生でも知っていますよね。それと同様に、高血圧が良くないという知識をより早くから身につけてほしいと思います。こうした教育は家庭内での健康意識の向上にも役立ちますし、本人の将来の情報リテラシーを高めることにも繋がるからです。
また、適塩化運動をとおして我々は栄養士さんの関与がいかに重要かを認識しました。学校給食や在宅医療における食事指導において、今後も大きな役割を果たしていただけると考えています。さらに訪問看護師さんや薬剤師さんなどの医療スタッフを巻き込み、地域ぐるみの健康管理を実現することが理想です。看取りや介護の文脈で語られることの多い「地域包括ケア」ですが、こうした予防医学的な観点を取り入れることも、今後のわが国の医療を考えるうえで重要ではないでしょうか。
基本的に「健康寿命を延ばす」という点において、医療者も患者さんも目指すところは同じなのですから、血圧を低く保つことがなぜ重要なのかを双方が共有できていれば、患者さんの血圧に対する関心の高さと治療意欲がうまく結びつかないというHypertension Paradoxは解消できるはずです。もしイベントを起こしてしまったら医療費はどうなるのか、誰があなたを介護するのか…というような、実感しやすい説明をとおして患者さんが血圧を下げる意味や目的を真に理解することで、耳触りが良いだけの不確かな情報に左右されることは防げると考えています。

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開催日時 種類 領域 講演会 対象
2021年
9月29日(水)
19:00~19:30
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中枢 中枢 真のリカバリーを目指すうつ病治療における新たな知見 全会員 詳細・申込へ
2021年
9月30日(木)
17:30~18:15
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消化器 消化器 【レベスティブ全国Web説明会】
短腸症候群に対する新しい治療薬~テデュグルチドの有効性・安全性について~
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2021年
9月30日(木)
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消化器 消化器 演題1:医療経済評価に基づく逆流性食道炎治療
演題2:開かれたフォミュラリーの活用と効果~PPI/P-CAB群を例にして~
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2021年
10月1日(金)
19:00~20:20
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オンコロジー オンコロジー 演題1:局所進行肺がんの現状と本当は話したくない呼吸器外科Trouble cases
演題2:ALK陽性非小細胞肺癌の治療戦略-ブリグチニブの位置づけ-
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2021年
10月4日(月)
18:00~19:40
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オンコロジー オンコロジー PARP阻害剤は卵巣癌治療をいかに変えていくか 全会員 詳細・申込へ
2021年
10月4日(月)
19:00~19:50
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中枢 中枢 成人期ADHDと気分障害併存例の診断と治療 全会員 詳細・申込へ
2021年
10月6日(水)
17:30~18:15
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講演会
消化器 消化器 【レベスティブ全国Web説明会】
短腸症候群に対する新しい治療薬~テデュグルチドの有効性・安全性について~
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2021年
10月7日(木)
19:00~20:00
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講演会
消化器 消化器 演題1:IBD診療におけるワクチン接種〜コロナ禍でも忘れてはいけないこと〜
演題2:ベドリズマブが変えたCDの内科治療~ベドリズマブをどう活かすか・どう拡げるか?~
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2021年
10月7日(木)
19:00~20:00
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オンコロジー オンコロジー 演題1:最新情報を踏まえたブリグチニブの位置づけ
演題2:アルンブリグの使用経験~安全性と有効性の観点から~
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2021年
10月7日(木)
19:00~19:40
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ワクチン ワクチン 帯状疱疹関連痛 予防と治療 全会員 詳細・申込へ

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